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 声掛けについて 〜少し先の未来につながる言葉〜

 うちの副施設長(野口さん)は暇を見つけては現場にどんどん入ってくるのですが、ある日の食事介助の様子を見ていて私は強い衝撃を受けました。それは野口さんがSさんという入居者の食事介助をしているときのことでした。Sさんはその日入居してきたばかり。咀嚼・嚥下ともに困難で、ペースト食にしているのですがそれもほとんど食べられないような状態でした。
 「ほら頑張んなきゃ。頑張ってしっかり食べなきゃ。」と、声掛けの際の言葉の内容自体は他のスタッフとさほど違いは無いのですが、伝わってくるものが他の人と明らかに違う。(しっかり食べて力つけなきゃ、大好きな買い物にも旅行にも行けないよ。ね?頑張ろうよ)という励ましが、そして、また前みたいに楽しいことを一緒にしようよ、という願いのようなものがその中に込められているのを感じました。はたで見ているこっちが感動して泣きそうになるくらいの力のある言葉を、当たり前のように入居者に投げかけている。あぁ、この人は本物だ、とそのとき思いました。野口さんのような言葉の掛け方と、単なる声掛けの違いはどこから生まれるんでしょう。何か声を掛けなきゃいけない、と思うと、意識して作り上げた形式上の言葉になってしまい相手には何も伝わらない。通常のコミュニケーションをとることが困難な、深い痴呆の人に対しては特にそうです。意識の上では、優しい言葉を掛けなきゃいけないと思っていても、それが無意識とつながっていなければ何も伝わらない、つまり、その言葉が入居者を元気にするかどうかっていうのは、本当にその人を元気にしたいと思っているかどうか、三好春樹さんの言葉を借りれば、その人のその老いを「無意識が肯定しているかどうか」に起因しているんでしょう。
 私が働き始めて2週間ぐらいが経った日の昼食の食事介助の時のことです。MさんとSさん、2人の食事介助をしていたのですが、Sさんが食事をだいぶ摂れる様になってきた一方で、Mさんは一人でしゃべってばかりでなかなか食べてくれない。Mさんは入所したてで、私にとっては初めてのMさんへの食事介助。手なんかはごくごく普通に動かしているし、一人で食べられるはずだと思い、お箸を渡して自分で食べてくれるように促すのですが、食べてくれない。スプーンで口まで運ぶのですが、食べてくれたりくれなかったり。すごく時間がかかってしまう。ふとした瞬間、思わず時計を見てしまう。すると、Mさんが、独特の高い声でこう言いました。
 「…忙しいのにごめんなさい」
 ドキッとしました。口では「ゆっくりでいいですよ」なんて言いながら、反面「早く食べてくれよ」と思っている心の中を見透かされたような気がしました。
 実感のこもった言葉。その食事を摂ることで、より楽しい方向へ進めそうな、そんな期待を抱かせてくれる実感のこもった言葉。野口さんの関わりを見せてもらって、もう少し長生きしてみようかな、長生きしてみたいなと思ってもらえるような、心を動かす決定的な「何か」を提供できるのは、建物や道具といったハード面ももちろん大切ですが、それよりも何よりも、具体的な『この人』なんだということをまざまざと見せつけられた気がしました。どんなつらい状況にある人でも、少し先の未来につながる言葉を、実感を込めて言ってくれる人が一人でもいれば、その人は救われるのだと思います。
 実感のこもった言葉を吐くには2つの経験が必要だ、と私は思います。1つは、たくさんの不安や葛藤を受け止めてきたという経験。お年寄りの不安や葛藤の多くは、日々の食事・排泄・入浴を初めとする、それまで当たり前に行ってきた生活行為を、以前と同じように振舞えない、人の助けを借りなければ行えないという、受け入れがたい現実が重なり蓄積された先に存在する、と私は考えています。日々の小さな不安や葛藤を大きくしないように、基本的な介護をきちんと行うことこそが最も大切なんだ、と思います。でもそれだけではやっぱりお年寄りは生き生きしてこないですね。たまにはやっぱり普段とは違う、格別の喜びが必要でしょう。ですから、2つ目は、お年寄りと一緒に楽しい思い出をたくさん作ってきたという経験、ということになると思います。
 ラ・ヴィータ・ウーノは、まだ動き始めて2ヶ月足らず。これからどうなっていくのかが1スタッフとしてもとても楽しみです。たくさんの経験を積み、施設と一緒になって成長していきたいと思っています。
2F介護スタッフ 中川 春彦 

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